World Music Night vol.3 ミシュコ・プラヴィ

2009年6月23日(火) 高知市文化プラザかるぽーと3階ガレリア
World Music Night vol.3
~世界の音楽と料理を楽しむ夕べ~
主催:国際的な音楽交流を中心に高知を楽しくするプロジェクト/(財)高知市文化振興事業団

さぁ、はじまった。あれよあれよという間に3度目のワールドミュージックナイトである。
今回の出演アーティストは、地元のベリーダンスチーム”ベルアラビ”と、めっちゃインターナショナルなニューエイジサウンドプロジェクト”WINDBEAT”、そしてメインアクトとしてセルビアからアコーディオンを抱えてやって来た”ミシュコ・プラヴィ”である。

ワールドミュージックナイトのコンセプトは、”世界の音楽と食を楽しむ!”ことであり、 “お客さんもアーティストもそして主催者もみんなで楽しみたい!”これがわたしたち主催者の”ネライ”である。今回もなかなかに国際的で魅力的な”舞台”が誕生した。キャンドルがほのかにきれいである。ビールからカクテル、ソフトドリンクなど飲み物も充実している!(これまでにいろいろな公演で何度、”このコンサートをビールを飲みながら楽しめたらなあ・・・”と思ったことか)。これをお手軽価格で実現させるのがこのワールドミュージックナイトなのである。
まずはトップをきってベルアラビの皆さんが会場に登場した。ひとことでいえば『ま、まぶしい・・・』。素晴らしい踊りで会場のテンションを一気にあげてくれた。オープニングとして立派に役割を果たしてくれた!。ただ、わたし個人の好みから一つ提言させていただくとすれば、ぜひ、生演奏をバックに踊って欲しい…。生演奏とコンボするととんでもないエンターテイメントに仕上がるとただただ勝手に妄想する。

そして二番手は、メンバーの国籍だけで片手が埋まってしまう”WINDBEAT”である。定義付けの難しい、いやそんなの必要ない素晴らしい演奏を毎回聞かせてくれるグループである。なによりも私自身とても関心を持っているディッジェリドゥーとホーミーのコラボは圧巻であった。このグループは世界各地から集まったメンバーが高知で出会い、高知で育っている。積極的に応援したいグループのひとつである。

そしてメインのミシュコさんの登場!である。ラフなTシャツにジーンズ姿。
実はこの日の午前、ミシュコさんとプロモーターの松下さんのお時間をいただき、高知城などを案内させてもらった。そのときのミシュコさんの印象は、”とても穏やか”で”少しおちゃめな大人”とでもいおうか、とても気さくで親しみやすかった。私は英語がダメなので、知っている単語の羅列によるコミュニケーションであったが、ちゃんと理解しようとしてくれた。その穏やかな印象のミシュコさんが、ステージの上では地面を睨みつけるような真剣そのものの表情でアコーディオンを操っている。伸びたり縮んだりするアコーディオンがまるで身体の一部であるかのように見える。『ほんとにひとりで弾いてるのか?』と思うほど重厚な音の連続である。アコーディオン恐るべし・・・いや、ミシュコさん素晴らしい!

ミシュコさんの前半最後の曲ではなんとベルアラビが舞台に再登場である。これは実はリハーサル中のふとした思いつきから展開し、すぐにミシュコさんとベルアラビが取り組んだのである。特にベルアラビのリーダーである中川さんの踊りは素晴らしかった。このときは自分がスタッフであることを忘れ、ステージに釘付けになってしまった。

今回の彼のツアーでは、このワールドミュージックナイトが一番大きな規模であるらしい。お客さんが行儀よく音楽のみを楽しんでいただくスタイルではないので、会場を見てもらうまでどんな印象を持たれるのか主催者のひとりとして少々不安はあった。だが会場を見た時に彼が口にしたのは『Very Exciting!』だった。結果として、音割れが数回発生してしまったが、これは送り側のPAミキサーのレベルを超えた音量をミシュコさんが操作してしまってのことらしく、彼なりにどうしてももっと迫力ある演奏につなげたかったらしい。そこは主催者として『あいたたた・・・』というしかない。しかし音割れしたときも会場のお客さんは文句を言うではなく、逆に拍手で支えようとしてくれた。これはほんとにうれしかった。ミシュコさんがまた高知へ来てくれることがあれば、もっと自由に音を作ってもらえるような会場を設定したいと本気で思う。これもミシュコさんとの交流があるからである。

ミシュコさんはともかく、ベルアラビとWINDBEATから感じたのは『まずは自分たちが楽しもう!』である。人の評価は後から付いてくるもの。その積極な姿勢がびんびんに伝わってきたステージであった。高知にも素晴らしいエンターテイナーがいるぞ!

高知は楽しい!
だからミシュコさん、また来てね!

(土居貴之)