World Music Journey vol.4 「民衆音楽が大衆音楽になるとき」

2010年3月6日(土) 高知市文化プラザかるぽーと小ホール
World Music Journey vol.4
「民衆音楽が大衆音楽になるとき」
主催:国際的な音楽交流を中心に高知を楽しくするプロジェクト/(財)高知市文化振興事業団

さてさて今回のテーマはアメリカンミュージックのルーツをたどる「民衆音楽が大衆音楽になるとき」。時代は19世紀から20世紀、舞台はヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、そして日本。
トークと演奏を交えながら2時間で紹介するという少し無謀ではありますが、アカデミックかつ演奏も楽しめた濃密な内容ではなかったでしょうか。
ご来場いただいたみなさん、ほんとうにありがとうございました!

今回、スタッフのドレスコードはバンダナとジーンズ。「カントリーテイスト」でお迎えしました。

毎回大好評の飲食ブースでは、サンドウィッチやビール、そして今回のテーマと関連のあるケイジャン料理「ガンボスープ」などのメニューも。

今回の出演者の紹介です。
<解説と演奏>
ピーター・バラカンさん
(音楽解説でおなじみ、さすがの博識、そしてチャーミングな方でした)

有田純弘さん
(ギター、マンドリン、バンジョーとなんでも弾きこなすアコースティック弦楽器の達人!)

渡辺三郎さん
(日本のブルーグラス界の大御所的存在。今回の企画の構成をしていただきました)

<県内のミュージシャンのみなさん>
グレイグース(アイリッシュ)
スウィングSAM(アコースティック・スウィング)
リトル・ジャッキー・ペーパー(フォーク)
シンカン・バンド(カントリー/ロック)
ロンギング・フォー・ザ・サウスランド(ブルーグラス)
*みなさんおなじみの名曲を即興も交えながら、素敵な演奏をしていただきました。

オープニングは最初のポピュラーヒット曲、ジョン万もくちずさんだ「おおスザンナ」(1848)から始まり、フランス移民と関係の深い「ジャンバラヤ」、イギリスから渡ったケルト系移民が伝えた民謡で個人的に大好きな「ウォーターイズワイド」、また「ホーム、スイートホーム」は日本では「埴生の宿」で知られる曲で、会場のみんなで合唱♪ロマンを感じたのは、坂本龍馬が衝撃を受けた黒船にはフィドルやバンジョーを演奏するバンドも乗船していたとのくだり、龍馬も海岸でアメリカ音楽を聴いたかもしれませんねえ。

途中、いろんな楽器の紹介などもはさみ後半へ…黒人奴隷が伝えたアフロ系音楽やゴスペルがヨーロッパの音楽と出会い、ブルースやジャズ、カントリー、リズム&ブルースが誕生し、そしてロックンロールへ!ブルーグラスの代表曲「ブルームーンオブケンタッキー」では、ワルツ、プレスリー風、アップテンポのブルーグラスと3パターンの演奏を楽しむこともできました。
最後はフォークソングの名曲「風に吹かれて」をみんなで大合唱してフィナーレを迎えました♪

以下”sab”こと渡辺三郎さんによる今回の企画のBasic Concept要旨を紹介します。
「高知のミュージック・シーンに何を残せるか? バラカン、有田、渡辺の3人は、その触媒となりたい。アメリカン・ルーツ・ミュージックという、20世紀に世界を席巻したトラッド・フォークからジャズまでを含むアメリカ民衆音楽の全体像を、分かりやすく観客に提示し、それらの音楽が今回のコンサートを通じて、日本で生活するわれわれを介して、その地方で息づいていることを感じてもらうこと。それを、現地のミュージシャンの才能をできるだけ生かしながら紹介し、これを機に現地ミュージシャンたちとリスナーの間にある種のコミュニティが生まれることを願うものです。」 (sab)

*目的は十二分に達成し、会場に集まった多くの方が満足していただけたのではないかと感じています。

(P細木)