JAZZCHOR FREIBURG JapanTour 2010 in Kochi

2010年8月31日(火) 高知市文化プラザかるぽーと大ホール
JAZZCHOR FREIBURG JapanTour 2010 in Kochi
主催:こうち・ジャズコァ実行委員会/(財)高知市文化振興事業団

ドイツ・フライブルク市を拠点に、世界中で活躍するジャズコーラスグループ「ジャズコァフライブルク」。
高知市では3年ぶり3度目になる彼らの公演をかるぽーと大ホールにて開催しました。

ドイツでジャズ?コーラス??と、未体験の方には「?」が広がるグループですが、その実力は、数々の国際コンクールで優勝するなど折り紙付き。
また、そんな実力を持ったグループにもかかわらず、メンバーの多くは、それぞれに職業を持っている音楽好きな一般市民というのも特徴の一つです。

今回のツアーは10日間の滞在で、一行34名が室戸市、高知市、松山市、高松市、四万十町の5カ所で公演をするスケジュールですが、どの地の公演もすべて、音楽が好き!という市民有志による実行委員会が組織され、コンサートの開催はもちろん、音楽を通じた国際交流を実現しようと趣向を凝らした取り組みを行いました。

高知市では「こうち・ジャズコァ実行委員会」のメンバーが牧野植物園や高知城といった観光名所を案内し、高知の良さをアピールしました。
また公演前夜にはジャズコァフライブルクの指揮者、ベァトラント・グレーガーさんによるコーラスワークショップが開催され、その後のウエルカムパーティではワークショップ参加者の成果の発表の他、グループメンバーも入り乱れての音楽のプレゼント交換を行いました。

そして公演当日。
かるぽーと大ホールには満員の聴衆が詰めかけました。
通常のコンサートより早く開場し、開演までの約1時間、ホールのロビーではドイツビールやワイン、ドイツのオードブルを販売し、来場者はリラックスした気分でコンサートに臨みました。

ピアノトリオとコーラスをメインに、ジャズのスタンダードナンバーからポップソング、オリジナルのアカペラナンバーというバラエティー豊かな構成で、ブロックフルートのトビアス・ライジゲさん、ジャズボーカルのトールン・エリクセンさん、ボイスパーカッショングループのアコースティック・インスティンクトの3組のゲストミュージシャンのパフォーマンスがステージを彩り、聴衆からの大きな拍手が鳴り止みませんでした。

公演後の打ち上げも大盛り上がり!
「国際的な音楽交流を中心に高知を楽しくするプロジェクト」が立ち上がるきっかけとなったジャズコァ公演は、今回も実務は全てボランティアで参加している音楽好きの実行委員達で行い、公演にかかる経費も補助金・助成金に頼らず、全て入場料収入でまかないました。
実行委員会それぞれが、コンサートの成功に向けて努力をし、その努力が素晴らしい演奏と、たくさんのお客さんの笑顔で報われる瞬間はなにものにも代えられません。

本番までのドキドキや、たくさんの苦労・心労で「もう今回で最後ね!」なんて言っていた実行委員のメンバーも、打ち上げの席では「次はいつ来るろうね?」なんて会話になるのもジャズコァならではです。
この感動を次への糧として、音楽の力でどんどん高知を盛り上げていきます

(吉田剛治)

いぬいかずみのツアー帯同日記

今回のツアーでは、ツアー全体の取り仕切りをした土居貴之さん・アンケさんに加え、通訳に高知実行委員会の乾和美さんが、一行のほとんどの行程に帯同しました。
本ページでは、乾さんから見た、ツアー全体のレポートをお届けします。

1日目 空港到着~室戸市へ

夢のような9日間でした。
来日到着予定8月28日(土曜)6時半。到着口にかぶりつきで待つこと約一時間、メンバーの一人が顔を出しました。
見覚えのある顔や、初めて会うメンバー、何時間もかけて来日したはずなのに、あまり疲れが見えない。
ベアトランドさんも来日に興奮されている様子で、土居さんやアンケとの再会にうれしさで体が弾んでいました。
ただ、始まったのはここから。また、6時間くらいかけて関空から室戸に移動。途中休憩で、メンバーと一緒にバスに乗っていたアンケにバスの様子を聞くと、まず空港で買ってきた「551蓬莱のお弁当」にトールンが、「う~ん!この為に日本に帰ってきたのよ!」と嬉しい一言。トールン、日本食が大好きなようです。うーん、蓬莱は中華なんですが。。。でも、アジアンフード良いですよね~。
関西空港で30個以上の軽食を準備するのは、どの店も予想外で出来ない。
551蓬莱さんは、とても親切にこちらの要望に応えてくれたようです。

室戸に着くと、早速部屋割り。みなさん、忙しく各部屋へ振り分けられ、お風呂に順番に入ります。
最初の宿は、徳増旅館。お遍路さんが泊る宿で、オーナーの徳増さん、深夜を過ぎた到着にも、忙しく対応してくれて、酒盛りにも付き合ってくれる寛大ぶり。
肝心な土居さん、この大イベントを手前に風邪をこじらしたらしく、室戸に到着して皆をお風呂に案内したらほっとしたのか、「う、う~、俺、もういかん・・・、熱が出てきた。。。」
アンケ、乾は至って元気でしたので、そんな土居さんを放って、宴会が開かれている場所へゴー!
疲れてないの???と思うくらい、みんな元気。オーナーの徳増さん、初めてメンバーに会ったのに、
もうウキウキで溶け込んでいました。至る所で「カンパーイ、カンパーイ」、私も飲むぞ~!と、そこで「ガラッ」とドアが開いて、土居さんです。「寝てられるか~」・・・気力が勝ったようです。
仲間も、なんてったって、大好きな土居さんが居てくれるだけで嬉しいとばかりに、さらにヒートアップ。
深夜も過ぎて、時計の針は午前3時に近付こうとしているのに、ビール!もう一本、もう一本!と空瓶の本数は増えていくのでした。

2日目 室戸公演

翌朝は、和食でのスタートです。おいしいご飯にお味噌汁。ベアトランドさんの元気の源は、しっかり食べる事でしょう。おいしい!おいしい!とお代わりもされていました。
そんなベアトランドさん、旅館の前がビーチと言うロケーション、我慢できずひと風呂浴びるように、目覚めると同時にサーファーを横目に陽気に泳いできたとのことです。ひと泳ぎの後の朝食はさぞかし美味しかったでしょう。
室戸会場に入る前に、室戸岬を観光。みんな海だ~、海だ~となかなか離れたくない様子。
そんな彼らを、引きずるように次の場所へ移動。室戸観光協会の方が企画してくれた、植樹。
地元の子供たちと、花を植えて、また室戸に帰ってきた時に、その植物が大きく育って関係も育っていけますようにと試みた企画。メンバーの皆も、とても喜んで子供たちとの触れ合いを楽しんでいました。到着時間のズレや、誰に会わないといけないが分かっていなくて、室戸観光協会の方には、ずいぶん待ちぼうけをさせてしまったのですが、さすが室戸のおんちゃん、太っ腹!一言、「こりゃ!」と言った後は、何も無かったかのように、皆を取りまとめ、最後には記念撮影で気持ちよく植樹を終わらせることができました。

その後、一行は会場へ移動。会場では、昼食を取るのですが、とっても美味しそうなお弁当を目の前に、どうもさっき食べた徳増旅館での朝ごはんがお腹に残っていて、ガンガン食べれない。
メンバーの皆さんは?とみると、昨夜から目立って元気な、パブロ君。彼の弁当を見ると、空っぽ!!!
話を聞くと、このように日本に来られたのは、本当にラッキーで、一分一秒も無駄にしたくないんだよ。
ラテンの雰囲気漂う彼は、無理に楽しまなくちゃ!ではなく、「楽しくてしょうがないんだよ!日本に来れたよ!最高!万歳!」と彼の周りからテロップが流れていました。

室戸実行委員会の皆さんも、これが無い、あれが無いの要望に、一生懸命応えてくれました。
公演が終わっても、お客さんはいつまでもロビーで、名残惜しむように、メンバーの方たちと握手をしたりしていました。
楽屋では、感動した室戸実行員会の若いギャルたちが、イケ面パウル君に、どうやってボイスパーカッションをやるの?と熱心に聞いています。彼も、気さくに丁寧に彼女たちに伝授。。。勿論、そう簡単にできませんよね!でも、室戸ギャル、「やる気は満点で賞」をもらっていました。
公演終了予定時間をとっくに過ぎていたので、打ち上げ会場「料亭花月」では、女将さんを始め、従業員の方々が首を長くして待っておられました。話を聞くと、本来、日曜日はお休みやけど、スタッフ一同休日返上で、ジャズコアの為に、協力してくれたようです。
お料理も、ものすごい料理が所狭しと並んでいて、ブリの頭の丸焼き、これは、ジャズコアの皆さんには、衝撃の一品だったようです。
そして、なんと言っても、花月のスタッフの方が、一生懸命宴会を盛り上げてくれる。
室戸実行委員会関係者の計らいで、何人かに着物を着れるように、女将さんに話をしてくれて、グレーテ、フィンニャ、ベッチーナ、パブロ、セバスチャンが選ばれし人となったのです。
男性は、女将さんの息子さんの剣道の道着を用意してくれて、もう嬉しさをこれ以上、表現出来ないくらいのはしゃぎぶり。
ひとしきり記念撮影が落ち着いた頃、ノルウェー出身のグレーテが、故郷の歌をアカペラで歌い始めました。
誰かが何かをする時、発言する時の、メンバーの一体感。直ぐ、どんな時でも聞くモードになります。
当たり前の事だけど、本当に素敵やと思いました。
花月の二階に居るみんな、彼女の美しい歌声にうっとり。こんなに良い思いをしてまいすが、旅はまだ始まったばかりです。
そうこうしていると、花月の方から、「私たちも何かしたいわ~。」「着物を着た方々(ジャズコアメンバー)は、お手伝いいただけるかな?」と何やら準備を始めました。
そして、登場したのが、しばてんの手ぬぐいを、かぶったメンバーも入れた10人ぐらいが宴会場を練り歩き、BGMには、勿論「しばてん音頭」これが、メンバーえらく気に入ったらしく、何かある度に
「はっけよいよい、はっけよいよい~、はっけよいよい、はっけよいよい」エンドレスですわ。
次回、ベアトランドさん、高知へ来る時は、このしばてん音頭をアレンジしてくるれるんじゃないの?・・・
ま、それは無いとして、まだまだ時差ぼけもある人も居るだろうに、元気一杯の室戸の夜は更けて行ったのです。
その日の宿は、徳増旅館から移動して「太田旅館」。この旅館も魅力的。本当に、室戸って素敵!
メンバー達も、すぐ寝る様子は無く、「はっけよいよい」は聞こえんかったけど、色んなところで二次会が行われた事でしょう。

3日目 室戸~高知へ移動

翌朝、朝食を終えバスに乗って高知へ移動です。
昨夜は、酔っぱらって暗くて全く辺りを見ていなかったのですが、旅館の周りの風情、室戸の方々の人情、旅館の方々の素敵な心配り、しみじみと室戸って素敵な場所やなあと改めて思いました。
室戸実行員会の方々も、朝早くから旅館に駆け付けてくれて、また室戸に来てもらいたい!そんなお別れでした。室戸の皆さま、本当にお疲れさまでした!
旅館の前で、通りかかった女性が車越しに、「昨夜はさいこうやった~!良かったで~!」と声をかけてくれます。てっきり、実行委員の知ってる方と思ったら、全く知らない人やと!!
本当に素敵な街ですね、室戸は。人の心が温かかったです。

さあ、高知へ出発!順調に進んでいますよ、と高知の実行委員会の皆さんに連絡を取りながら、西へ、西へ。
「知寄町まで来たらメールちょうだい、外に出で待ちゆうき。」と心強い言葉。
バスが、南の方からセブンデイズホテルに、前方を見ると「Welcome to KOCHI!Jazzchor Freiburg」歓迎されるってこんなに嬉しいものながや~と改めて実感するシーンでした。
ただ、皆はゆっくりしている暇はなく、荷物を置いたらかるぽーとへ練習に行かんといかんがです。
トールンとベースのダニエルは、少し時間が許されているからと街を散歩しようと言うことになり、私は幸運にも一緒にお供することになったのでした。
最初、銀行へ行き、何人かのお金を円に交換したりしてから、帯屋街へ繰り出しました。
トールンはしきりに、家族へのお土産の事が気になっている様子、そして寿司食べてみたい~。方やダニエルは、いい感じの帽子を探しているようでしたが、なかなか気に入る物には出会えませんでした。
帯屋街を東から歩いて、トールンはお腹が空いているようで、ダニエルはと言うと、食べなくても平気。でも、二人の話から、どうもひろめ市場に行きたいがや!行ってみると、とってもお気に入りの様子。コーヒーも飲めるし、寿司も握ってくれる。マグロの赤身だって食べられる。ひろめってすごい場所や!
ひろめでは、コーヒーを飲みながらノルウェーでは、お店は早く閉まって、お酒も夜に買いに行くことは出来ないの。肉は肉屋で、野菜は野菜を売っているお店に買いに行かないといけないと話してくれたトールン。
だからドイツ公演やこうして日本に来られた時は、その違いを楽しんでいるとも話していました。
ダニエルは、ワインが好きで、いつでもワインを飲みたいのだそうです。日本ではどこでワインを買うのか?とか、一本いくら位のワインが妥当か?などと、ワインに全く知識が無い私に聞いてくるから、もっすごい庶民的な金額を、そして私はスーパーでワインを買うと答えておきました。
ひと通り帯屋街をブラついたので、ひとまずホテルへ。ダニエルは、もうちょっとブラついてくるわーと、一人どこかへ消えて行きました。
私はかるぽーとに戻ると、皆がウェルカムパーティー用の名札を、カタカナで作っています。
書いて並べていると、メンバーが寄って来て、どれが私の名前??と興味深々。なんでも、好奇心で一杯のジャズコア・フライブルク。

ウェルカムパーティーは、8時から。その前に、メンバーが帯屋街に放たれているので、様子見ながら来てくれと言う指令を受け、まず最初にチェックしに行った場所は、勿論ひろめ市場でしょう!
はい、はい、居ましたよ~。ラルフやゲオルクを始め6人位がビール片手に満足そうです。
大丈夫そうだったので、前進すると背の高い、赤毛のステッフェンを発見。とっても気さくなお兄ちゃんです。しかも、話し始めると質問が、ダムの放流のように出てきます。
まずは、果物を買いたいけどどこで買うの?とにかく、メンバーがウヨウヨと高知の帯屋街に居る。
ステッフェンとはりまや橋商店街へ、果物が売られていました。しかも、梨を買うともれなくバナナをプレゼントしてくれました。店のおばちゃんもとっても喜んでくれたけど、彼もそれ以上に喜んでくれました。
ウェルカムパーティーは、とても盛大に開かれ、8時のスタートに合わせて、皆がゾクゾクとあらわれてきます。ワークショップを終えた皆さんも、「あ~楽しかった」と言いながら、会場に入って来て、ビールを片手に満足そうです。
少し飲んだところで、少しずつ挨拶が始まり、ベアトランドさんもドラマティックに挨拶をしてくれました。
とても高知を良く思っている気持が伝わってきました。
そうこうしていると、高知のワークショップの皆さんの練習発表です。ベアトランドさんが作った、「アフリカンコール」皆さん、何度か集まられて練習は手前にされていたとは言え、すごい!
そして、みなさん気持ち良さそーに歌ってるじゃないですか!
高知の実行委員からも歌のプレゼント、そのお返しに、ベアトランドさんギターを弾きながら歌ってくれました。その後、アコースティックインステンクトのこれまた出し物がありました。もう会場は、一体感で満ち溢れていました。
まだ遊び足りない人は、高知の街へ消えて行ったりと様々な高知の夜を楽しんだ事でしょう。

4日目 高知公演

翌朝は、高知城観光のお手伝い。他にも牧野植物園に行く団体もありました。
高知城では、ちゃんと英語で専門に案内をしてくれる方が居ました。見るところが色々あって、自分も知らない事ばかりで、いよいよ何にも知らんな~と反省。
時間を押す中、天守閣へ登ってみようと言うことになり、最上階からの眺めは絶景です。
会場の位置とかを確認して、「今夜あそこでコンサートをするのね。」と、満足そうでした。会場へ戻ってからは、何がどうなったか分からないくらい、時間が速く流れて行きました。
音チェック、念入り行われています。皆、昼の炎天下の中を行動したのにかかわらず、何度も音のチェックを繰り返すのに、疲れてる顔をしてないんですよ。
会場入り口では、CDの販売の準備、チラシの挟み作業、一階のロビーでは、サニーマートさんのドイツビール販売隊が、忙しそうに準備を進めています。

「さあ、いよいよ、お客さん入るよ~!」の定刻の6時。モニターで映されているお客さんの風景は、まずは席を確保して、ビール、ビールと言った方が、かなりの人数を占めたのではないでしょうか?
外から聞こえてくる話では、オードブルが足りん!ビールの売れ行きも好調で!ロビーでは、ちょっとした宴会が繰り広げられていました。
7時の開演。最初から、かるぽーと大ホール全体がわっと盛り上がり、会場もジャズコア・フライブルクもスウィング・スウィング!
公演も終盤にさしかかった頃、会場はもう誰にも止められません的な空気に包まれていました。
会場が明るくなって、ロビーのCD売り場に、タオルを首に巻いて気さくに、出かけられたベアトランドさん。
沢山のメンバーがCD売り場で、記念撮影。そりゃー、会場のお客さんも嬉しかったろーねー。

打ち上げも、これまた3年前と同様、盛大に行われました。
3年前も、タウンさんで打ち上げやりました。ピアノあり、ギターあり、ドラムあり。コンサートが終わったき、歌いたくないろー、楽器も触りたくないがやない??と素人の私は思った。
彼らは、誰に強制されることもなる、自ら楽しんで演奏をしていました。
タウンがクラブ化して、もう凄い事になっていました。
時間も、大幅に過ぎてしまったのに、タウンのオーナーさん、みんなが盛り上がってくれて良かった~と言うて、気持ち良く解散することが出来ました。ありがとうございます。

5日目 高知~松山移動

翌朝、出発準備を済ませた、メンバーが続々とホテルのロビーに、お見送りに来た高知実行委員たちと別れを惜しむように、高知を出発。
この日は、高知から松山。松山の奥道後で昼食。この昼食が、なかなかメンバーの壺を押さえていて、日本人の私でもワクワクするレストランでした。ここで、ベアトランドさん、「うどん」にはまったようです。
うどんをセルフで温め、薬味を好みで入れて、食べるスタイル。
遊園地のような食事を終えて、次に向かうのは、松山のとある小学校訪問。松山市とフライブルクは姉妹都市で、色々と交流が以前から行われています。
ジャズコアの歌のプレゼントをしたり、子供たちからの太鼓の演奏の披露があったり、みんなで太鼓をたたいてみる交流時間があったりと、またまたメンバー夢中になって太鼓をたたいています。
最初は、ちょっと控え目だった子供たちも、その子供達以上に無邪気に太鼓を練習するメンバーに一気に溶け込んでいました。
帰る間際も、言葉は交わしている様子は無いのですが、なんかすごい盛り上がっているんですよ。
ジャズコアの皆さん、本当に不思議な力を持っていると思いました。
そして、次は松山市長訪問です。
バスの中では、こんな恰好で市長を訪問して良いものだろうか?渡したいプレゼントがあるんだけど、スーツケースを広げる場所があるだろうか?などと気をもんでいる間に、バスは松山市役所に到着。
ベアトランドさんの心温まる挨拶を終わらせ、ホテルに帰る組と、ホームステイ組に分かれます。
松山は姉妹都市と言う事もあり、ホームステイプログラムが盛り込まれていたのでした。
その日の夕方は、フリーで各自、好きなところで食べて遊べと言わんばかりに、松山の街に散らばって行きました。

6日目 松山公演

さて、松山公演の当日の午前中は、観光が盛り込まれていて、行きたい人は道後温泉に行ったり、松山城へ行ったりとしました。
走り走りの観光にも、ジャズコアの皆さん、とにかく楽しむ事が先決。
ホテルからは、自分たちで路面電車に乗って、会場へ向かいました。
松山公演にもう少し、お客さんを増やそうと、最後の最後まであきらめません。
メンバーの中でも、目立って美女の女の子二人が、松山の繁華街でビラ配りをするという。
松山の人たち、びっくりされる人もいましたが、温かく応援してくれるかたもおって、彼女たちとても喜んでいました。
リハーサルは、ギリギリまで行われています。
会場ロビーでは、美味しさそうなソーセージの香が漂っています。見ると、大きなジャーマンソーセージのサンドイッチや、ドイツパン、ドイツビールの販売がされています。
お客さんも珍しいようで、行列になって買われていました。
公演後のサイン会も沢山のお客さんが買って行ってくれました。ここでも、お客さんは名残惜しそうにいつまでも、会場を離れなかったのでした。
打ち上げは、松山のスタッフの皆さんが準備してくれた、松山では音楽通の行くお店。
色んな関係者の皆さんが、公演の成功を喜んで、交流を深めていました。
お腹がふくれると、お約束のショータイムが始まります。
またまた、こんな贅沢な時間ってありえん!!この凄い人たちの演奏を、お酒飲みながら聞ける、見れる。
この感動は、なかなか表現するのが、難しすぎます。
打ち上げもお開きになり、ゾロゾロとホテルに移動して、帰りつくけど、なんだか皆さん飲み足りんみたい。
約束したわけでもないのに、ホテルのロビーに皆が集まって2次会が始まりました。
疲れてる肩を、もみほぐす団体、ビールを飲む団体、お話に夢中な団体、いろんな塊が出来ていました。
最後には、ロビーの電気を消されたのですが、それでもお構いなしで、お話は尽きる事がなかったようです。

7日目 松山~高松移動

次の日は、高松へ移動です。
高松でも、着くなり行事が待ち構えています。まずは、幼稚園の訪問。地域の中にある3つの幼稚園が合同で、ジャズコアを歓迎してくれました。
小さな子たちが「ウェルコメ!ウェルコメ!」(いらっしゃーい)と、歓迎してくれる列の中を通って行きます。
子供達の歓迎に、みなさんの顔もほころんでいました。
幼稚園では、とてもきれいなお弁当をいただいたり、子供たちのお手製のプレゼントをもらったり、お抹茶をふるまっていただいたり、真剣の舞があったり、ここでも異文化に触れた、皆は興味深々で、食いついて話を聞いていました。
メンバーの歌手のマギーさんは、茶道にとても興味を持ち、舞台でお茶の作法を見せてくれている先生にかぶりつきで見て、質問攻撃を浴びせていました。
最後に、ジャズコアの皆さんからの歌のプレゼント。子供達は、美しい歌声や、楽器が無いのに楽器の音がする不思議をとても楽しんでいたようでした。
幼稚園のご父兄や先生関係者の見守る中、次の場所に移動。
ベアトランドさんと、かっこいい女性メンバー三人とテレビ局へ、高松公演の宣伝をするために移動。
高松公演は、会場がものすごく大きく、出来るだけ色んな方に来ていただきたい!そんな一心でテレビ局に向かいました。
他のメンバーは、栗林公園へ観光に行きました。メンバーの皆さん、こちらも大満足。
高松には、ドイツ館と言うのがありました。
そちらの持ち主の方が、昔、ドイツに居た時に、ドイツの方にものすごくお世話になったと言うことで、そちらの施設をドイツの方々に無料で開放しているのです。
アットホームなホッとする雰囲気のドイツ館で滞在したメンバーは、幻想から離れて本当に良い時間を過ごすことが出来たと言われていまた。
そのドイツ館の持ち主さんが開かれた、自宅での歓迎会。沢山の料理やワインを準備されていて、楽しいひと時を過ごしたのでした。

8日目 高松公演~四万十町へ移動

翌朝は、少し時間を切り上げての出発。
正直、自分でもけっこうキツイな~と思うスケジュール。彼らは公演をしてこのスケジュールをこなしているのですよ。この原動力は何??
飲み会も余裕でこなしてます。。。え?彼らの原動力って宴会?
いや、きっと、音楽が根っから好きながやと思いました。
朝食でも、言葉は理解出来なかったのですが、あちらこちらで音楽の話をしている。疲れてぼーっとしていても音楽の話をしたい!!こんなジャズコアのメンバーが本当に素敵や!と思いました。
さあ、高松公演です。
リハーサルのスタート。
会場に入ると、客席に飲まれそうなくらい、大きな会場。でも、ジャズコアの皆さん、こんな広い会場で公演出来るって武者震いがする位の興奮ぶり。みなさん生き生きされています。
リハーサルは入念に行われていました。ですが、休み時間もありました。
その休み時間を利用して、高知から来た実行委員会の方やメンバーは、高松に来たきうどんを食べちょかないかん!。。。いや、ドイツの方がなんでうどんを知っちゅうがやろう~?と思いましたが、やっぱりソールフードUDONながでしょうね。
即席うどんツアーを体験されたメンバーは、うどんを楽しみ、うどん屋さんの雰囲気を楽しみ、帰ってきて、えらく興奮してうどん屋さんの話をしていたこと、印象的でした。
公演は、無事終了しました。
どちらの公演会場でも、力を抜く事のない、ジャズコア。
会場のお客さんも、小さな子供から大人まで、普段とは違う空気を存分に楽しまれていました。
来日してからのツアーで初めて、太陽が見える時間に終わった高松ツアー。
バスの中で、こう言うのもえいねー、まだ外は明るいよ!!とベアトランドさん。
ドイツでは、コンサートは観客の皆さんが夕食を終えて来れる、夜の8時くらいから始まり、10時くらいまで、観客のノリが良ければ更にと言うこともあるそうです。だからこんな日の高い時間に公演を終了しているって不思議な感じと喜んでいました。
高松からは一気に四万十までバスで移動します。
喉も渇いちゅうろうき、みんな~にビールでも買うちゃり!と、高知実行委員から、太っ腹な指示があり、しかもサプライズで。
高速に乗る前のコンビニで、バスの運転手さんが止まってくれて、ビールを買って出すと、これがありえんくらい、興奮して、バスの中はまさしくヒートアップ。運転手さん、ありがとうございます。
高松から四万十までの道のりは、そんなに近いわけではありませんでしたが、道中の彼らの楽しみ方は、私の目には優雅な生物にしか映りませんでした。
途中、ものすごい土砂降りの雨が降ったのですが、そんな中、止まったトイレ休憩のサービスエリア。
濡れる事っていいよね~なんて、歌いながら、しかも靴を脱いで裸足で、サービスエリアに入って行くジャズコアの皆さん。出来た水たまりで水かけごっこ。楽しい事をいっぱい知ってる人達です。
無事、四万十の宿泊先に到着した時は、もう夜中に一歩手前でした。
夜中にかかわらず、宿泊施設の方々、四万十ジャズコア実行委員会の皆さん、大歓迎してくれました。
ジャズコアのメンバーも、今までとは違う雰囲気に、もう野生化し始めています。
用意してくれていたビールを、さっと飲みほし、さらに地元の焼酎、これがものすごく利きました。
メンバーの若い人たちは、結構日本語の書き方を知っていて、日本語をどれだけ書けるか競争をしていました。中には、照明を暗くして踊り出す人も。。。本当に、どこへ行っても、楽しむ方法がいくらでもある事を教えてもらった気がします。

9日目 四万十公演

次の朝は、地元、四万十のおかみさん達のの手料理の朝ごはんで始まりました。
まー、これが何を食べても美味しい。色んな地元の野菜を使ったおかず。
好奇心旺盛なジャズコアメンバーは、色んな食材にトライしていました。
こんな雄大な自然の中で、ゆっくりしたいところですが、スケジュールはしっかり組まれています。
午前中、地元の高校生との四万十川での交流会。
高校生達も張り切って、実行委員の皆さんに交じってお手伝い。
まず提供されたのが、カヌー。おもちゃで何日も遊べんかった子供のように、誰かがカヌーに乗っては皆が揺らして水の中に落とす。水の上に浮かんでいるカヌーに乗るのは、結構難しく、乗れた!と思ってもバランスを崩して水の中に落ちてしまうのです。
遊びの柔軟体操が終わると、競争をしよう!と話が進み、四万十の高校生&ジャズコア・フライブルクで、2つのチームを作りカヌーリレー。
恥ずかしかっていた高校生も、勝負となると本気モード。ジャズコアのメンバーもマジ白熱していました。
一方、カヌーレースに参加されてないメンバーや高校生は、テントの下で折り紙交流をしたり、草笛を吹ける方がいらっしゃって、その方の伝授のもと草笛にトライするメンバー。
草笛はなかなか吹いた事の無い人は音が出ないらしい。なのに、ユリアン君、すぐ音を出していました。
それには、草笛おじさんも驚きを隠せなかったようです。ここでも、彼らは音楽が理屈なしで好きなんだな~と感じていました。
昼食は河原で、郷土料理を頂いたがですが、全て、地元実行委員のおかみさん達の手作り。美味しくないわけがない!
更に、一方では地元高校生が勉強してきた環境についての研究発表をジャズコアの皆さんに聞いてもらい、意見交換の場を設けました。
公演は、沢山遊んで学んだ、その後です。しかも気温も四万十の活気も上昇しています。
会場は、石の風車のある轟公園。野外公演です。
リハーサルも、さらに念入りに行われます。9月に入ったとは言え、日中の日差しは、南国高知県です。
汗を吹いても、汗が溢れる。
観客の皆さんは自由な感じで、演奏を楽しまれていました。時に吹く良い風に、野外での何とも言えない空気に包まれながらの、ジャズコアのハーモニー。
午前中、川遊びを一緒にした高校生たちも、かぶり付いて彼らの演奏に耳を傾けていました。
この最高な時間は、こちら四万十公演に来られた方のみ感じられる、どこにも無い空間でした。
公演が終盤に差しかかると共に、日が暮れていく。このまま、この場所に居て、この歌声をずーっとここで聴いていたい、そんな気持ちに誰もがなった事でしょう。
公演後ジャズコアの皆さんもいつまでも会場に残り、観客と同化していました。

この夜が、泣いても笑っても最後の宴会。
四万十実行委員会の皆様、ものすごく温かく会場作りをされ、関わった皆さん誰もが居心地良く居られるように配慮されていました。
そして、どこにいってもサービス精神旺盛なジャズコアのメンバー、打ち上げに参加されていた高校生たちとの交流にも余念がありませんでした。

この9日間を振り返って、楽しい事、嬉しい事しか頭に浮かんできません。スケジュールを単純に見て、決して彼らにとって、楽なスケジュールでは無かったと思います。
でも、だれもが常に笑顔で、助け合い協力して出来た、ジャズコア・フライブルク ジャパンツアー イン四国2010。
最高の旅でした。グルグルと色んな想い出が頭の中を駆け巡ります。いっぱい温かい気持ちも頂きました。
スタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。

また、ジャズコア・フライブルクの公演、高知で聴きたいです。
(いぬいかずみ)